Food as Medicine 命を育むヒーリングフードたち

2016 / 05 / 15

オーストラリアにきて生活環境もかわり、
より一層食生活に気をつけるようになりました。

昔からマクロビオティックをベースに
身土不二(地産地消、旬のもの)、一物全体
の食事を丁寧につくり、玄米菜食、素食、少食を
心がけ、お肉はもう自分では10年近く買っていないし、
たまに少しいただくことはあっても自宅では調理
しないし、お魚もたまに、でほとんど動物性
タンパク質は摂取していません。体も調子いいし
肌ツヤもいい感じです。

そして、ここバイロンベイではオーストラリアの
中でも特に食に対する意識が高く、ビーガン
やベジタリアンも完全な市民権を得て、
どこのお店でも必ずビーガンオプションがあります。

ビーガンやベジタリアンを志向する人は
倫理的(動物殺傷を嫌う)や環境的(お肉を育てるための
環境負荷)な理由のほか、体質的にあるいは
体質改善、病気のために、動物性たんぱく質の摂取を
制限している人も多いのです。

ヒポクラテスの残した有名な言葉に
『Let food be thy medicine and medicine be thy food』
『汝の食物を汝の医薬とせよ、汝の医薬は食物とせよ』

というものがありますが、まさに食は体や生命力をつくる
毎日の大切な営みです。

バイロンベイには、従来の現代医学、西洋医学に頼らず、
代替医療、自然療法のホメオパシー、ナチュロパシー、
鍼灸などを実践している小さなクリニックがたくさんあります。
(いわゆる総合病院は一件だけ)

そして、最近注目を集めているのが、それらを統合した
統合医療、ホリスティック医療とでもいうべく
さまざまなアプローチから患者の身体・精神的トラブル
病気や症状を多角的にとらえ
根本的な治療にあたる、という考え方です。

私もご縁あって、最近、バイロンにある
The Health Lodge のシェフとして
働きはじめました。このクリニックでは、20名の専門医が
それぞれの知識や経験を結集させ、チームとして働いています。

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日本でいうお医者さんのほか、ナチュロパス、
鍼灸師、オステオパシー、カイロプラクター、
ヨガ、理学療法士などが勢揃いしています。

ここでも取り入れ始めたのが、Food As Medicine
の概念。体のつくる基本や食にあり。

どんなに対処療法的に治療しても、
自分の免疫や内臓器官、消化器系などが
健康でない限り、本質的な回復、改善には
至らない。

でも、いろんなダイエット用語や食事療法が
持て囃される昨今、いったい何がいいのか
何を食べればいいのか、何を食べてはいけないのか
情報過多になりすぎて、正直分からなくなりますよね。

だからこそ、自分の体の内側をよく見て、
時には専門家に診てもらって、
自分自身でも体の声に耳を傾けて
自分の体や体質にあった食べものを賢く
選ぶ、ということが大事になってきます。

The Health Lodgeでは、病気療養中で
2、3週間程度入院する患者さんのために
血液検査やさまざまな精密検査のデータをもとに
適切な食事メニューを考え、作っています。

私は働いて2ヶ月ぐらいですが、
専門的な医学用語がちんぷんかんぷんで
(日本語で聞いてもたぶんわからない、笑)
かなり高度の知識を必要としますが、
楽しく学びながら、日々レシピを思案中です。

実践する食事療法の多くは、
ケトジェニックダイエット
SIBO (シーボ)/ FODMAP(フォドマップ)
パレオ

などで、 日本でも少し注目をされはじめていますが
いろいろ調べたものの、日本語の文献はあまりなく、
まだまだ医学的なアプローチからの取り組みは
少ないように思えます。

*なお、ここに書いていることは
私なりに調べたものですが、どれかを特に推奨したり
あるいはどれかを否定・非難したりする目的ではなく、
または医学的な根拠や専門の立場から述べているものでは
ないことはご理解ください。ご自身にあった
食事療法や管理は専門医にご相談くださいね。

個人的に、マクロビオティックや日本食では
常用される発酵食品、大豆や大豆の加工食品も
制限されることも多いので、それに代替するような
メニュー開発をしたり、動物性たんぱく質を
採れない患者さんは、ナッツ類や良質のオイルから
できる限りの植物性たんぱく質を摂取できるよう
メニューを構築しますが、けっこう難易度が高い〜。

そして、満腹感を得られるような穀物、
炭水化物も制限されるとなると(使えたとしても
グルテンフリーは必須)、毎日サラダって
わけにもいかないので、脳みそフル回転させながら
見た目にも鮮やかで美味しく、栄養素もぎゅっと
詰まっている、そんなメニューを試作しています。

ここにいくつかそのサンプルを紹介〜。

 

グルテンフリーのファラフェル

人参のジンジャータヒニサラダ

カリフラワーのインディアンスパイスロースト

 

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ガドガド風温野菜のサラダ(ナッツクリームドレッシング)、乳製品は使用負荷なので

ナッツバターやタヒニなどでクリーミーなコクを出します。

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カリフララーのチキンフライドライス(お米の代わりに)

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マッシュルームとほうれん草のサラダ

お肉オプションはポークジンジャーリブステーキ

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朝ごはん。そば粉のパンケーキに焼きシイタケと目玉焼き、、自家製マヨネーズ

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グルテンフリーのヌードルサラダ

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カリフラワーがクラストのピザとローストした野菜

 

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パレオダイエットバージョンでは、炭水化物、穀物カット。

マグロの照り焼きステーキと温野菜(根菜類はカット)、ソースはハーブペスト。

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もちろん、加工食品は一切ダメ。
お砂糖や糖分も極力カット(フルーツも低糖分のベリー系
ならオーケー)、添加物、保存料が調味料に入っているものも
ダメなので、結果的にオーガニックになったり、
それなりにコストもかかりますが、良質の食材を丁寧に
調理し、体が喜ぶものは、結果的に私たちの血となり肉となり、
命を育み、病を治し、エネルギーに満ち溢れた健康な体を
作ってくれるヒーリングフードになります。

と書いておきながら、通っている調理師の学校では最近は
デザートレシピのオンパレードで、これでもかっていうぐらい
精白された小麦粉、砂糖、乳製品使いまくりです(笑)

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普段は市販の甘いもの、お菓子はほとんど食べませんが、
やっぱり甘いものには目がない。。
食べ始めるとシュガーハイになるのがわかりますね。。

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たまにはね。

でも、自分でスイーツが食べたいときは、
なるべくヘルシーなオプションを。

こちらは最近ヒットだったロービーガンライムチーズケーキ。

クラストはアーモンドとデーツをフードプロセッサーで
ブレンドしてグルテンフリーに。
本物のチーズケーキさながらのクリーミーさは
カシューナッツでフィリングも乳製品なし。
ソースは、甘酸っぱさと酸味を効かせるために、
ビートルートとイチゴ。
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まあ、いろいろ書きましたが、
大事なのは、結局、その土地で採れた旬のものを
シンプルに、丁寧に丸ごと調理し、よく
味わって、噛んで、その食べ物の命が
自分の命の一部となっていくことに感謝しながら
気持ちよくいただく、というのが一番の食薬
なのでしょうね。